学習用の教材です。重要な判断では一次資料や専門家を確認してください。
ファイナンスは、お金の「作戦会議」だ。
会社はいくら稼いだ? 現金は足りる? 新しい店を出すべき? 会社を買うならいくらまで? 数字を使って未来の選択をするのがファイナンスです。
ファイナンスって、そもそも何?
社会人向けの説明へざっくり言えば、限られたお金を、どこに使えば未来の価値が一番大きくなるか考えることです。
ファイナンス=未来の作戦会議
会計
去年いくら売り、いくら利益が出たかを正しく記録。
管理会計
今月なぜ計画より悪かったかを見つけ、改善。
ファイナンス
将来の売上とリスクを考え、投資や借入を判断。
文化祭のお店で考えてみよう
社会人向けの説明へクラスでタピオカ店を出します。手元のお金は3万円。材料やカップを買い、1杯300円で売る計画です。
| 項目 | 考えること | ファイナンス用語 |
|---|---|---|
| 3万円を何に使う? | 材料、看板、機械の配分 | 資本配分 |
| 何杯売れる? | 客数×購入率×杯数 | 事業計画 |
| いくら残る? | 売上−材料−その他費用 | 利益・キャッシュフロー |
| 機械を借りる?買う? | 費用とメリットを比較 | 投資判断 |
| 雨が降ったら? | 売上半減でも赤字にならないか | シナリオ分析 |
会社を知る3枚の表
社会人向けの説明へ一定期間にいくら売っていくら儲けた?
今この瞬間に何を持ち何を借りている?
現金がなぜ増えたり減ったりした?
PL:Profit and Loss
会社の成績表。ただし「利益が出た=現金が増えた」とは限りません。
BS:Balance Sheet
資産は現金、商品、建物など。負債は借金や未払い。純資産は株主が出したお金と、会社が貯めた利益です。
CF:Cash Flow Statement
営業で増減した現金、設備投資に使った現金、借入や返済で動いた現金を分けて見ます。
「黒字なのに倒産」が起きる理由
社会人向けの説明へ友達に1万円の商品を売り、代金は来月受け取るとします。商品の原価が6,000円なら、税金などを省いた利益は4,000円。でも売った日の入金は0円です。数字は学習用の仮想例です。
現金を減らす代表選手
- 売掛金:売ったが、まだ代金をもらっていない。
- 在庫:お金を払って仕入れたが、まだ売れていない。
- 設備投資:工場や機械を買った。
- 借金返済:元本を返した。
図は別の仮想例で、同じ金額単位。税引後利益100 − 未回収代金の増加30 − 在庫の増加20 − 機械購入25 = 現金の増加25。減価償却、借入、利息・税の追加支払いなどは省略しています。現金残高を知るには、開始時の現金も足します。
売上を「気合い」で予想しない
社会人向けの説明へ「来年は売上20%増」ではなく、どの数字がどう変わるから増えるのかを説明します。この原因となる数字をドライバーと呼びます。
| ざっくり予想 | ドライバー予想 |
|---|---|
| 海外で売上が増える | 店舗50店×1店月100個×単価2,000円 |
| コストが下がる | 材料単価を5%下げ、廃棄率を3%→2%へ |
| 会員が増える | 訪問者10万人×登録率4%×継続率80% |
1億円使って、いくら利益を生んだ?
社会人向けの説明へROICは、会社が事業に使っているお金から、どれだけ税引後利益を生んだかを見る数字です。
A店
100万円を使い、毎年20万円の税引後の事業利益。ROICは約20%。
B店
1,000万円を使い、毎年50万円の税引後の事業利益。ROICは約5%。
B店の方が利益額は大きいですが、お金の使い方はA店の方が効率的です。
ROICが高いか低いかは、数字だけでなく必要リターンと比べます。20%・5%は仮想の単純例で、事業に使った資本は期間中一定と仮定。実務では税引後の事業利益と平均投下資本を揃えます。
成長による価値は、追加投資の見込みリターンで判断します。現在のROICだけで、新しい投資の良し悪しを決めることはできません。
商品を仕入れてから、お金が戻るまで
社会人向けの説明へこの間、お金は在庫や売掛金に姿を変えています。仕入先への支払いを待ってもらえる期間も含めたものがCash Conversion Cycleです。
仕入先へ払う日は、商品を売る前にも後にもなります。「仕入→販売→回収」の図は商品の流れで、支払の順番を決めた図ではありません。
在庫を短く
売れ残りを減らし、必要な分だけ仕入れる。
回収を早く
請求をすぐ出し、期限を守ってもらう。
支払を適切に
約束を守りつつ、早すぎる支払を避ける。
今日の1万円と、10年後の1万円は同じ?
社会人向けの説明へ同じではありません。今日の1万円は、貯金・投資・商売に使えます。将来の1万円には、待つ時間、物価上昇、受け取れないリスクがあります。これをお金の時間価値と呼びます。
=105万円
=110.25万円
=115.76万円
次の利息がつく
現在価値 = 将来もらうお金 ÷ (1+割引率)の年数乗
なぜ「割り引く」の?
待つから
今使えるお金を、何年も使えない。
危険があるから
約束どおり受け取れない可能性がある。
物価が変わるから
同じ1万円で買える量が減ることがある。
割引率をひとことで言うと?
未来の100万円を受け取る代わりに、今日いくらまでなら払えるかを決める「ものさし」です。割引率が高いほど、未来のお金を厳しく評価します。
この図は割引率だけを変えた計算例です。0%は「確実に受け取れる」という証明ではありません。実際の率は、通貨・時期・不払い等のリスクに合わせて見積もります。
値引き率ではありません。 店頭価格を10%オフにする話ではなく、「1年待つこと」と「受け取れないかもしれないこと」を反映して、未来のお金を今日の価値へ換算する率です。
割引率は何からできている?
事業全体の現金の流れを評価するときは、株主と貸し手が求める収益率を、お金の構成比で重み付けして平均するWACCを基本に考えます。資金構成は、別のリスク率として足すものではありません。
株主のお金
全体の70%。求める収益率は10%。
貸し手のお金
全体の30%。金利は4%、税率は30%。この例では利息による税負担の軽減を反映します。
時間や事業のリスクは、求める収益率を見積もる際に考慮します。国・通貨の影響も前提を揃えて扱い、同じリスクを現金の予測と割引率へ重ねて入れないようにします。
学習用の仮想例です。株主に帰属する現金だけを評価するときは株主が求める収益率を使います。物価上昇込みの金額には物価上昇込みの率、物価変動を除いた金額にはそれを除いた率を対応させます。
最重要:キャッシュフローと割引率をペアにする
どの率を使うかは、誰に帰属するキャッシュフローを割り引くかで決まります。ここを間違えると、計算がきれいでも答えは誤りです。
| 評価するキャッシュ | 誰のためのお金? | 基本となる割引率 | 典型用途 |
|---|---|---|---|
| 事業のFCF | 銀行と株主の両方 | WACC | 事業価値・企業価値 |
| 株主向けCF | 借金返済後の株主 | 株主資本コスト | 株主価値 |
| 借金の返済CF | 銀行・社債投資家 | 負債コスト | 借入・社債の価値 |
| 契約上の支払・受取CF | 契約の受取人・支払人 | 通貨・時期と不払い等のリスクに合う率 | 契約上のCFの個別評価 |
契約で金額や時期を定めても、相手方が支払えないリスクは残ります。無リスク金利をそのまま使う前提ではありません。
株主だけ?
どの通貨?
税引前?税引後?
同じにする
NPVを確認
3年後の100万円を自分で割り引く
さらに詳しく:割引率の8つのコツとよくある誤解
割引率を使いこなす8つのコツ
- 会社一律のWACCを全案件へ使わない:既存の安定事業と、海外の新規事業ではリスクが違います。
- 通貨をそろえる:円のCFは円金利ベース、ドルのCFはドル金利ベース。単なる換算ではありません。
- 名目と実質をそろえる:物価上昇込みのCFは名目割引率、物価上昇を除いたCFは実質割引率。
- 税の前後をそろえる:通常のWACCは税引後FCFに使います。税引前と税引後を混ぜません。
- 期間をそろえる:年次CFには年率、月次CFには月率。年率12%をそのまま月次CFへ使いません。
- 今の資金構成だけに固定しない:長期的に目指す借金・株主資本の割合を検討します。
- 率だけでリスクを処理しない:売上減、工期遅延、追加投資はシナリオとしてCFにも表現します。
- 1点ではなく幅を見る:基準8%なら6%、8%、10%などでもNPVを計算し、結論が簡単に逆転しないか確認します。
よくある誤解を修正する
| 誤解 | なぜ違う? | 正しい考え方 |
|---|---|---|
| 銀行金利=割引率 | 株主が求めるリターンや事業リスクが抜ける | 事業FCFならWACCが基本 |
| 高い率ほど慎重で安全 | 価値を低く見せるだけで、損失額や資金ショートを説明しない | DownsideのCFも別に作る |
| WACCは会社で永久に同じ | 市場金利、株価、借金、事業構成が変わる | 評価時点と案件リスクに合わせ更新 |
| IRRを割引率にする | IRRは案件から出る結果で、必要リターンではない | NPVはWACC等で計算し、IRRと比較 |
| リスクは全部率へ上乗せ | 二重計上や根拠のない調整になりやすい | CFシナリオと率の役割を分ける |
資本コスト=お金を使わせてもらう最低条件
社会人向けの説明へ会社のお金は、タダではありません。銀行も株主も、そのお金を別の場所で使えたはずです。会社は、時間とリスクに見合う見返りを出す必要があります。これが資本コストです。
利息と元本返済を求める
集めた100万円を事業へ投資
値上がり・配当を期待する
負債コストと株主資本コスト
| 負債コスト | 株主資本コスト | |
|---|---|---|
| お金の出し手 | 銀行・社債投資家 | 株主 |
| 見返り | 主に利息 | 配当・株価上昇 |
| 返済 | 期限までに必要 | 決まった返済期限なし |
| 倒産時の順番 | 株主より先 | 最後 |
| 一般的なコスト | 比較的低い | リスクが高いので比較的高い |
| 見え方 | 利息としてPLに見える | 費用としてPLに直接は出ない |
株主資本コストが「見えない費用」である理由
株主へ毎年10%を必ず支払う契約はありません。しかし、同じリスクで10%を期待できる別の投資があるのに、この会社が3%しか生まなければ、株主は別の投資を選びます。帳簿に費用として出なくても、経営上は本物のコストです。
WACC=2種類の資本コストの「加重平均」
社会人向けの説明へWACCは Weighted Average Cost of Capital の略です。借金と株主資本のコストを、会社が使っている割合で平均します。単純に2で割るのではなく、重さをつけるので「加重平均」です。
具体例:100万円の資金
| 資金 | 割合 | コスト | 全体への影響 |
|---|---|---|---|
| 株主資本 | 70% | 10% | 70%×10%=7.00% |
| 借金 | 30% | 4% | 税引前なら30%×4%=1.20% |
| 借金の税引後コスト | ― | 税率30% | 借金コストは4%×(1−30%)=2.8% |
| 合計 | 100% | ― | 7.00%+0.84%=7.84% |
+ 借金の割合 × 借金コスト × (1−税率)
=7.00%
=1.20%
=0.84%
なぜ借金だけ税率をかけるの?
多くの場合、借金の利息は税金を計算する前の利益から差し引かれ、税負担を減らします。これを節税効果(Tax shield)と呼びます。ただし、赤字で税効果を使えない場合や、国ごとの税制制限がある場合は単純ではありません。
WACCを動かしてみる
WACCの使い道
DCFの割引率
事業全体が生む将来キャッシュを現在価値へ戻す。
投資の合格ライン
IRRやROICが資本コストを上回るかを見る。
価値創造の基準
資本コストを超える利益を長く生み出せるかを見る。
NPV=その投資で「今日いくら価値が増えるか」
社会人向けの説明へNPVは Net Present Value、日本語では正味現在価値です。将来のキャッシュを割引率で今日の価値へ戻し、最初の投資を引きます。
計算の前に:利益ではなく「増えた・減った現金」を並べる
NPVでいちばん大切なのは電卓よりも、その投資をする場合と、しない場合の差額を正しく作ることです。これを「増分キャッシュフロー」と呼びます。
| 入れるもの | 考え方 | 符号の例 |
|---|---|---|
| 最初の設備・買収代金 | 投資をするために今払う現金 | − |
| 税引後の営業キャッシュ | 売上から現金費用と税金を引いた増分 | +または− |
| 追加の設備投資 | 修理・更新・増産設備など | − |
| 運転資金 | 在庫や売掛金が増えると現金が寝る | 増加は−、回収は+ |
| 最後の売却・撤去 | 設備の売却代、撤去費、運転資金の回収 | 内容次第 |
例:100万円を投資し、3年間45万円ずつ受け取る
| 時点 | 実際のキャッシュ | 8%で割り引く | 現在価値 |
|---|---|---|---|
| 今日 | −100万円 | そのまま | −100.0万円 |
| 1年後 | +45万円 | 45÷1.08 | +41.7万円 |
| 2年後 | +45万円 | 45÷1.08² | +38.6万円 |
| 3年後 | +45万円 | 45÷1.08³ | +35.7万円 |
| 合計 | 受取総額135万円 | 現在価値へ変換 | NPV=約+16.0万円 |
今日払う100万円は「−100」。今日のお金なので割引しません。
1年目は 1÷1.08=0.9259、2年目は 1÷1.08²=0.8573、3年目は 1÷1.08³=0.7938。
45×割引係数。1年目41.67、2年目38.58、3年目35.72万円です。
−100+41.67+38.58+35.72=+15.97万円。約16万円の価値を新しく作ります。
なぜ3年目ほど小さくなる? 45万円という受取額は同じでも、待つ時間が長いほど「その間に別の投資で稼げたはずの分」と「受け取れないリスク」が大きくなるからです。
NPVの判断ルール
資本コストを払ったうえで価値が増える
売上や利益があっても価値が減る
なぜNPVが主役なの?
- 時間:早く入るキャッシュを高く評価する。
- リスク:割引率を通して必要リターンを反映する。
- 規模:「率」ではなく、増える価値の金額がわかる。
- 全部の期間:投資から最後までのキャッシュを含める。
割引率が変わると、答えはどう動く?
NPVとIRRを動かしてみる
NPVの計算内訳
| 年 | キャッシュ | 割引係数 | 現在価値 |
|---|
金額の単位は自由です。100万円としても100億円としても、同じ単位で入力します。
Excelで計算するなら
セルA2に今日の投資を−100、B2~D2に各年の45を入れた場合:
ExcelのNPV関数は「1年後以降」だけを割り引くため、年0のA2は最後に足します。日付が不規則なら XNPV を使います。
NPVを使いこなす7つのコツ
- 利益でなくキャッシュ:減価償却そのものは現金流出ではありません。
- 「する・しない」の差だけ:共通費を何となく配賦しない。
- 名目と実質をそろえる:物価上昇込みのCFには物価上昇込みの割引率。
- 通貨をそろえる:円のCFは円の割引率、ドルのCFはドルの割引率。
- 終了時点を忘れない:売却代、撤去費、運転資金回収を入れる。
- 予測を揺らす:価格、数量、原価、開始遅延、WACCを変えて感度を見る。
- どちらか一つならNPV:同じリスクで同時にできない案は、原則としてNPVが大きい方を選ぶ。
IRR=その投資が持つ「年率の稼ぐ力」
社会人向けの説明へIRRは Internal Rate of Return、日本語では内部収益率です。NPVがちょうど0円になる割引率を探したものです。
IRRはどうやって計算する?——割引率の「当てっこ」
IRRには、普通の足し算のような一発の式がありません。割引率を入れてNPVを計算し、NPVがプラスなら率を上げ、マイナスなら率を下げる作業を繰り返します。
NPVは+15.97。まだプラスなので、割引率をもっと上げられます。
NPVは−5.21。答えは8%と20%の間にあります。
16%では+1.07、17%では−0.57。ゼロをまたいだので、答えはこの間です。
約16.65%でNPVがほぼ0。これがIRRです。
手計算でざっくり求めるなら、ゼロを挟む2点を直線で結んで近似できます。
NPV曲線は完全な直線ではないので、これは近似です。実務ではExcel等で反復計算します。
先ほどの「100万円を出し、3年間45万円ずつ受け取る投資」では、IRRは約16.7%です。合格ラインのWACCが8%なら、16.7%の方が高いためNPVはプラスになります。
投資そのものの期待利回り
資金提供者が求める最低ライン
差の約8.7ポイントがあるため、NPVはプラス
IRRが便利な場面
- 違う投資の利回り感をパーセントで比べる。
- 会社の投資基準(Hurdle rate)を超えるか見る。
- 銀行金利や期待収益率と直感的に比較する。
Excelで計算するなら
A2~D2に「−100、45、45、45」と入れて:
実際の日付間隔がバラバラなら =XIRR(キャッシュの範囲, 日付の範囲) を使います。
IRRを使うときの実戦ルール
- IRR > 案件に合った必要利回りなら合格候補。ただしNPVも必ず見る。
- 投資規模が違う案件をIRRだけで順位づけしない。小さな高IRRより、大きなNPVが会社価値を増やすことがあります。
- キャッシュの符号が「−、+、+…」の普通の形か確認する。途中で+と−が何度も入れ替わると、IRRが複数出たり、出なかったりします。
- 会社一律のハードルレートを機械的に使わない。国、通貨、事業、契約、レバレッジのリスクに合わせます。
- IRRの計算は、途中で受け取ったお金を同じ利回りで運用し直すことを前提にしません。IRRが高くても、投資額とNPVを一緒に確認します。
IRRの4つの落とし穴
| 落とし穴 | 例 | 対策 |
|---|---|---|
| 投資規模を無視 | Aは100万円でIRR30%、Bは1,000万円でIRR20% | NPVの金額も比較 |
| 入る時期で変わる | 同じ総額でも早く回収する方がIRRは高い | キャッシュの年ごとの表を確認 |
| 答えが複数になる | 途中に大きな追加投資・撤去費がある | NPVを割引率別に確認 |
| 高IRRでも小さい | 1万円の利益率100%より、100億円のNPVが重要な場合 | 資本制約と価値額で選ぶ |
投資A
今日−100 → 1年後+130
IRR 30% / NPV 約18
投資B
今日−1,000 → 1年後+1,200
IRR 20% / NPV 約91
IRRだけならAですが、増える価値の金額はBの方が大きい。どちらか一つなら、資金やリスクなどの制約を確認したうえでNPVを重視します。
資本コスト・WACC・NPV・IRRを1本につなぐ
社会人向けの説明へ求めるリターン
加重平均
増える価値を計算
投資の利回り
まとめて決定
実際の投資判断の順番
会社の値段はどう決める?
社会人向けの説明へ会社の価値は、机や工場の値段だけではありません。将来生み出す現金をもとに考えます。
DCF
将来の現金をWACCなどで今日へ戻す。つまりNPVの考え方を会社全体に使う。
似た会社
同じ業界の会社が利益の何倍で評価されるか。
持ち物
土地、工場、在庫、借金などを時価で見る。
企業価値と株主価値
「予定どおり」だけで計画しない
社会人向けの説明へ| ケース | 意味 | 文化祭なら |
|---|---|---|
| Base | 比較の基準となる想定 | 普通の来場者数 |
| Upside | うまくいった場合 | SNSで話題になり行列 |
| Downside | 悪くなった場合 | 雨で客数半分 |
| Stress | かなり厳しいが起こり得る | 雨+機械故障+材料値上げ |
| Break-even | 損益がゼロになる境目 | 何杯売れば元が取れるか |
会社はどうやってお金を集める?
社会人向けの説明へ| 方法 | 良いところ | 注意点 |
|---|---|---|
| 稼いだ現金 | 利息も返済もない | ほかに使う機会を失う |
| 銀行借入 | 株主を増やさず調達 | 利息、返済、約束がある |
| 社債 | 長期・大口を調達しやすい | 信用力と市場環境が必要 |
| 株式 | 決まった返済がない | 既存株主の持分が薄まる |
| 共同出資 | 資金とリスクを分ける | 利益と決定権も分ける |
会社を買うとき、何を見る?
社会人向けの説明へ最低限の10問
- 誰のどんな困りごとを解決する会社か。
- 市場は本当に伸びるか。
- 競争相手に真似されない強みはあるか。
- 利益は現金に変わっているか。
- 将来予測は何を根拠にしているか。
- いくらまでなら買ってよいか。
- 悪い場合、損失と追加資金はいくらか。
- 買ったあと誰が経営するか。
- どんな数字が悪化したら作戦を変えるか。
- 撤退・売却する方法はあるか。
投資したあとこそ、本番
社会人向けの説明へ投資前に作った予想を、投資後も使います。「去年より良いか」だけでなく、「買うときに約束した未来に近づいているか」を確認します。
| 見るもの | 質問 |
|---|---|
| 売上・利益・現金 | 計画との差はなぜ生まれた? |
| お客さん | 増えた? 続けて使っている? |
| 事業の強み | 技術、人材、ブランドは強くなった? |
| リスク | 借金、法律、事故、為替は大丈夫? |
| 投資仮説 | そもそもの作戦はまだ正しい? |
ファイナンスの「あるある間違い」
社会人向けの説明へ利益が増えたから安心
売上が大きい会社ほど良い
IRRが高い案件を選べばよい
借金は少ないほど安全
ここまでお金を使ったから続ける
撤退は失敗
ファイナンス用語をやさしく言うと
社会人向けの説明へ| 用語 | やさしい意味 |
|---|---|
| Revenue | 売上。お客さんへ売った金額 |
| Profit | 利益。売上から費用を引いた残り |
| Cash flow | 実際に出入りした現金 |
| EBITDA | 本業の稼ぐ力を見る途中の利益。現金そのものではない |
| FCF | 事業運営と必要投資のあとに残る現金 |
| ROIC | 事業に使ったお金をどれだけ効率よく利益へ変えたか |
| WACC | 会社がお金を使うために必要な平均リターン |
| 資本コスト | お金の出し手が、時間とリスクの見返りとして求めるリターン |
| Hurdle rate | 会社が投資を採用するために設定する最低合格ライン |
| NPV | 投資で増える価値の金額 |
| IRR | 投資の利回りを%で表したもの |
| DCF | 将来の現金から会社や事業の価値を計算する方法 |
| Enterprise value | 借金の調達元を問わない、事業全体の価値 |
| Equity value | 借金などを調整した、株主に帰属する価値 |
| Downside | うまくいかなかった場合 |
| Covenant | 銀行などと約束した財務上の条件 |
最後に、これだけ覚えよう
社会人向けの説明へ利益と現金は違う
会社を生かすのは現金。利益だけで安心しない。
数字を分解する
売上を客数・回数・単価など原因へ分ける。
未来のお金は割り引く
WACC等で割り引き、NPVを主役、IRRを補助として比べる。
悪い場合も考える
現金不足、追加資金、撤退まで先に決める。
本資料は学習用の入門ガイドであり、個別の投資勧誘や会計・税務・法務助言ではありません。