用語集

学習用の教材です。重要な判断では一次資料や専門家を確認してください。

TRADING COMPANY CORE SKILLS · 004

バリュエーション

将来キャッシュとリスクを、説明可能な価値と価格に変える

社会人版

わからない用語はこちら(1語)

位置づけと到達点

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わからない用語はこちら(6語)

会社の値段を考えるときは、将来入るお金を今の価値に直し、借金と余分な現金を調整します。計算で得た価値と、実際に払う価格は別です。

最初に押さえる3点
  • 利益と、事業から得られる現金は違う。
  • 事業全体の価値と、株主に帰属する価値は違う。
  • 将来の見通しや割引率が変わると、価値も変わる。

わからない用語はこちら(2語)

段階 1
評価目的を定義
→
段階 2
CFを整える
→
段階 3
割引率を決定
→
段階 4
継続価値を算定
→
段階 5
他手法で照合
→
段階 6
価格へ調整
→
段階 7
感度・判断
ゲートの考え方:各ステップで、次へ進む条件・追加検証・停止条件を明文化する。資料完成ではなく、意思決定の質を成果とする。
テーマ 01

わからない用語はこちら(2語)

何を、誰の視点で、いつ時点、どの通貨・基準で評価するかを決める。

具体的な進め方

  • 企業価値と株式価値を区別する
  • 支配権・流動性を確認する
  • 評価日時点で利用できた情報と、その後判明した情報を区別して記録する

成果物の例

  • 評価方針
  • 論点表
  • 前提一覧

代表KPI

未確定論点評価差異レビュー指摘

典型的な失敗

  • 目的に合わない手法を選ぶ

実務の問い

  • 評価の設計の最大の不確実性は何か
  • その不確実性はどの証拠で判定するか
  • 結果を価格・計画・契約・行動のどこへ反映するか
テーマ 02

わからない用語はこちら(6語)

DCF(将来の現金を現在価値に直す方法)では、現金を受け取る人と割引率を揃えます。

  • FCFF(借入先への支払い前の、事業全体に帰属する現金)は、WACC(株主と貸し手が求めるリターンを資金構成で加重平均した率)で割り引きます。
  • FCFE(借入れ・返済も反映した、株主に帰属する現金)は、株主資本コスト(株主が求めるリターン)で割り引きます。
  • どちらも、必要な設備投資などを引いた後の現金です。会計上の利益をそのまま使いません。

以下のケースはFCFFを使い、各年末に現金が得られる前提です。

テーマ 03

わからない用語はこちら(3語)

通貨、国、事業、レバレッジに合うWACC・株主資本コストを設定する。

具体的な進め方

  • リスクフリーと市場リスクを揃える
  • 比較会社からベータを推定する
  • リスクの二重計上を点検する

成果物の例

  • WACC計算
  • ベータ表
  • リスク調整表

代表KPI

WACC資本構成スプレッド

典型的な失敗

  • 銀行金利をWACCにする

実務の問い

  • 割引率の最大の不確実性は何か
  • その不確実性はどの証拠で判定するか
  • 結果を価格・計画・契約・行動のどこへ反映するか
テーマ 04

わからない用語はこちら(7語)

継続価値は、具体的に予測する期間より後に得られる現金の価値です。永久成長法は、安定した成長と必要な再投資が続くと仮定する方法です。

予測最終年時点の継続価値 = 翌年のFCFF ÷(WACC − 永久成長率)。永久成長率は長期に続く成長の割合で、WACCより小さく置きます。

この値はまだ将来時点の価値です。現在まで割り引いてから、予測期間の現金の現在価値に足します。

別の方法として、予測最終年の利益などに比較対象の倍率を掛ける方法があります。利益指標と評価対象を揃え、二つの方法の前提の違いを確認します。

テーマ 05

わからない用語はこちら(2語)

類似会社・類似取引を選び、EV/EBITDA等で市場観を得る。

具体的な進め方

  • 事業・地域・成長性を合わせる
  • 会計差と一過性を調整する
  • 中央値だけでなく分布を見る

成果物の例

  • 比較対象企業一覧
  • 倍率表
  • 調整ログ

代表KPI

倍率レンジ成長差利益率差

典型的な失敗

  • 有名企業を比較対象にする

実務の問い

  • マルチプルの最大の不確実性は何か
  • その不確実性はどの証拠で判定するか
  • 結果を価格・計画・契約・行動のどこへ反映するか
テーマ 06

わからない用語はこちら(4語)

事業全体の価値から有利子負債を引き、事業で使わない余剰現金などを足すと、株主に帰属する価値に近づきます。ここでは他の調整項目がない単純な会社を想定します。

ネットデット(有利子負債から対象の現金を引いた純負債)を引いた場合は、同じ現金をもう一度足しません。

価値と支払価格を別々に示します。買収で生まれる追加価値(シナジー)は、実現費用・リスクも考え、単独の会社の価値と分けて検討します。

同じ数字で価値と価格を読む

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すべて仮想の数字で、単位は百万円です。年末のFCFFが毎年10、WACCが10%、6年目以降の成長率は0%。事業が続き、維持に必要な投資は現金10を求める際に差し引いています。

現金を受け取る時点現在価値
1年目末:109.09
2年目末:108.26
3年目末:107.51
4年目末:106.83
5年目末:106.21
最初の5年の合計37.91

6年目以降の継続価値は、5年目末時点で10 ÷(10% − 0%)=100。今の価値に直すと100 ÷ 1.10の5乗=62.09です。

事業全体の価値:37.91 + 62.09 = 100

借金30、事業に不要な余剰現金10、他の調整なしなら、株主に帰属する価値は100 − 30 + 10 = 80です。余剰現金は事業の現金予測には含めていません。

株式全部に90を払う場合、この前提での価値80との差は−10。追加価値や費用、契約条件を調べずに、お得と判断できません。

将来の見通しが同じでも、WACCが8%なら事業価値125、12%なら約83.33。価値は確定した正解ではなく、前提に依存する見積もりです。

成果物とKPIの運用

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以下の成果物と確認指標は、評価案件に合わせて選ぶ例です。確認する時点は前提が変わったときや判断を行うときなど、案件ごとに決めます。

#成果物確認指標
1評価方針未確定論点
2論点表評価差異
3前提一覧レビュー指摘
4DCFモデル継続価値比率
5PV内訳FCF転換率
6価値ブリッジNPV
7WACC計算WACC
8ベータ表資本構成
9リスク調整表スプレッド
10TV計算TV/EV
11収束確認永久成長率
12クロスチェックExit Multiple
注意:KPIは報告のためではなく、異常を早く発見し、行動を変えるために使う。指標ごとに定義・データ源・責任者・閾値を置く。

短時間で読む順番

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わからない用語はこちら(1語)

  1. 入口で最低限の3点をつかむ。
  2. 統合ケースで100から80になる流れを読む。
  3. 必要なときにDCF・継続価値・価格の節へ戻る。難しければ右上から高校生版へ移る。

マスターチェックリスト

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筆者自身の学習のために作成した、無料公開を想定する教材です。誤りが残る可能性があります。実際の投資・契約判断では、元資料や専門家の確認も用いてください。誤りが見つかれば修正します。