用語集

学習用の教材です。重要な判断では一次資料や専門家を確認してください。

TRADING COMPANY CORE SKILLS · 004

バリュエーション

将来キャッシュとリスクを、説明可能な価値と価格に変える

高校生版

わからない用語はこちら(1語)

まず一言でいうと

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会社の値段を考えるときは、将来入るお金を今の価値に直し、借金と余分な現金を調整します。計算で得た価値と、実際に払う価格は別です。

最初に押さえる3点
  • 利益と、事業から得られる現金は違う。
  • 事業全体の価値と、株主に帰属する価値は違う。
  • 将来の見通しや割引率が変わると、価値も変わる。

身近なたとえ

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わからない用語はこちら(5語)

中古自転車の値段を決めること。将来どれだけ役立つか、壊れるリスク、似た商品の相場、修理代を合わせて考える。

会社でも同じ

事業計画のキャッシュフローを企業価値・株式価値・投資採算に変換する。会計・資金管理はファイナンス、事実検証はDDが担当する。

覚える合言葉

「目的 → 事実 → 選択肢 → 数字 → 判断 → 行動」

7つのステップ

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わからない用語はこちら(2語)

段階 1
評価目的を定義
→
段階 2
CFを整える
→
段階 3
割引率を決定
→
段階 4
継続価値を算定
→
段階 5
他手法で照合
→
段階 6
価格へ調整
→
段階 7
感度・判断

前のステップに戻るのは失敗ではありません。新しい事実で考えを直すことが、良い仕事です。

しくみを理解しよう

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わからない用語はこちら(12語)

1. 評価の設計

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何を、誰の視点で、いつ時点、どの通貨・基準で評価するかを決める。

やること:企業価値と株式価値を区別する

気をつける:目的に合わない手法を選ぶ

DCF(将来の現金を現在価値に直す方法)では、現金を受け取る人と割引率を揃えます。

  • FCFF(借入先への支払い前の、事業全体に帰属する現金)は、WACC(株主と貸し手が求めるリターンを資金構成で加重平均した率)で割り引きます。
  • FCFE(借入れ・返済も反映した、株主に帰属する現金)は、株主資本コスト(株主が求めるリターン)で割り引きます。
  • どちらも、必要な設備投資などを引いた後の現金です。会計上の利益をそのまま使いません。

以下のケースはFCFFを使い、各年末に現金が得られる前提です。

通貨、国、事業、レバレッジに合うWACC・株主資本コストを設定する。

やること:リスクフリーと市場リスクを揃える

気をつける:銀行金利をWACCにする

継続価値は、具体的に予測する期間より後に得られる現金の価値です。永久成長法は、安定した成長と必要な再投資が続くと仮定する方法です。

予測最終年時点の継続価値 = 翌年のFCFF ÷(WACC − 永久成長率)。永久成長率は長期に続く成長の割合で、WACCより小さく置きます。

この値はまだ将来時点の価値です。現在まで割り引いてから、予測期間の現金の現在価値に足します。

別の方法として、予測最終年の利益などに比較対象の倍率を掛ける方法があります。利益指標と評価対象を揃え、二つの方法の前提の違いを確認します。

5. マルチプル

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類似会社・類似取引を選び、EV/EBITDA等で市場観を得る。

やること:事業・地域・成長性を合わせる

気をつける:有名企業を比較対象にする

6. 価格と投資判断

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事業全体の価値から有利子負債を引き、事業で使わない余剰現金などを足すと、株主に帰属する価値に近づきます。ここでは他の調整項目がない単純な会社を想定します。

ネットデット(有利子負債から対象の現金を引いた純負債)を引いた場合は、同じ現金をもう一度足しません。

価値と支払価格を別々に示します。買収で生まれる追加価値(シナジー)は、実現費用・リスクも考え、単独の会社の価値と分けて検討します。

同じ数字で価値と価格を読む

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わからない用語はこちら(1語)

すべて仮想の数字で、単位は百万円です。年末のFCFFが毎年10、WACCが10%、6年目以降の成長率は0%。事業が続き、維持に必要な投資は現金10を求める際に差し引いています。

将来の10は、今の10と同じには扱いません。1年後の10は10 ÷ 1.10で約9.09。2年後の10はさらにもう一度1.10で割り、約8.26になります。5年分を同じように計算して足すと37.91です。

6年目以降の継続価値は、5年目末時点で10 ÷(10% − 0%)=100。今の価値に直すと100 ÷ 1.10の5乗=62.09です。

事業全体の価値:37.91 + 62.09 = 100

借金30、事業に不要な余剰現金10、他の調整なしなら、株主に帰属する価値は100 − 30 + 10 = 80です。余剰現金は事業の現金予測には含めていません。

株式全部に90を払う場合、この前提での価値80との差は−10。追加価値や費用、契約条件を調べずに、お得と判断できません。

将来の見通しが同じでも、WACCが8%なら事業価値125、12%なら約83.33。価値は確定した正解ではなく、前提に依存する見積もりです。

用語やさしい意味
企業価値事業全体の価値
株式価値株主に帰属する価値
DCF将来のお金を現在価値に直す方法
WACC株主と貸し手が求めるリターンを資金構成で加重平均した率
継続価値予測期間より後の価値
マルチプル利益などの何倍かで比べる倍率
NPV投資で増える現在価値
IRRNPVがゼロになる収益率

読み終えたら

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わからない用語はこちら(1語)

  • 将来の現金を現在価値に直す。
  • 事業の価値から借金を引き、対象の余剰現金を足す。
  • 数字の前提と、価値・価格の違いを確認する。

詳しく知りたいときに右上から社会人版へ進めます。

筆者自身の学習のために作成した、無料公開を想定する教材です。誤りが残る可能性があります。実際の投資・契約判断では、元資料や専門家の確認も用いてください。誤りが見つかれば修正します。