身近なたとえ
社会人向けの説明へ中古自転車の値段を決めること。将来どれだけ役立つか、壊れるリスク、似た商品の相場、修理代を合わせて考える。
会社でも同じ
事業計画のキャッシュフローを企業価値・株式価値・投資採算に変換する。会計・資金管理はファイナンス、事実検証はDDが担当する。
覚える合言葉
「目的 → 事実 → 選択肢 → 数字 → 判断 → 行動」
学習用の教材です。重要な判断では一次資料や専門家を確認してください。
将来キャッシュとリスクを、説明可能な価値と価格に変える
高校生版会社の値段を考えるときは、将来入るお金を今の価値に直し、借金と余分な現金を調整します。計算で得た価値と、実際に払う価格は別です。
中古自転車の値段を決めること。将来どれだけ役立つか、壊れるリスク、似た商品の相場、修理代を合わせて考える。
事業計画のキャッシュフローを企業価値・株式価値・投資採算に変換する。会計・資金管理はファイナンス、事実検証はDDが担当する。
「目的 → 事実 → 選択肢 → 数字 → 判断 → 行動」
前のステップに戻るのは失敗ではありません。新しい事実で考えを直すことが、良い仕事です。
DCF(将来の現金を現在価値に直す方法)では、現金を受け取る人と割引率を揃えます。
以下のケースはFCFFを使い、各年末に現金が得られる前提です。
継続価値は、具体的に予測する期間より後に得られる現金の価値です。永久成長法は、安定した成長と必要な再投資が続くと仮定する方法です。
予測最終年時点の継続価値 = 翌年のFCFF ÷(WACC − 永久成長率)。永久成長率は長期に続く成長の割合で、WACCより小さく置きます。
この値はまだ将来時点の価値です。現在まで割り引いてから、予測期間の現金の現在価値に足します。
別の方法として、予測最終年の利益などに比較対象の倍率を掛ける方法があります。利益指標と評価対象を揃え、二つの方法の前提の違いを確認します。
事業全体の価値から有利子負債を引き、事業で使わない余剰現金などを足すと、株主に帰属する価値に近づきます。ここでは他の調整項目がない単純な会社を想定します。
ネットデット(有利子負債から対象の現金を引いた純負債)を引いた場合は、同じ現金をもう一度足しません。
価値と支払価格を別々に示します。買収で生まれる追加価値(シナジー)は、実現費用・リスクも考え、単独の会社の価値と分けて検討します。
すべて仮想の数字で、単位は百万円です。年末のFCFFが毎年10、WACCが10%、6年目以降の成長率は0%。事業が続き、維持に必要な投資は現金10を求める際に差し引いています。
将来の10は、今の10と同じには扱いません。1年後の10は10 ÷ 1.10で約9.09。2年後の10はさらにもう一度1.10で割り、約8.26になります。5年分を同じように計算して足すと37.91です。
6年目以降の継続価値は、5年目末時点で10 ÷(10% − 0%)=100。今の価値に直すと100 ÷ 1.10の5乗=62.09です。
借金30、事業に不要な余剰現金10、他の調整なしなら、株主に帰属する価値は100 − 30 + 10 = 80です。余剰現金は事業の現金予測には含めていません。
株式全部に90を払う場合、この前提での価値80との差は−10。追加価値や費用、契約条件を調べずに、お得と判断できません。
将来の見通しが同じでも、WACCが8%なら事業価値125、12%なら約83.33。価値は確定した正解ではなく、前提に依存する見積もりです。
| 用語 | やさしい意味 |
|---|---|
| 企業価値 | 事業全体の価値 |
| 株式価値 | 株主に帰属する価値 |
| DCF | 将来のお金を現在価値に直す方法 |
| WACC | 株主と貸し手が求めるリターンを資金構成で加重平均した率 |
| 継続価値 | 予測期間より後の価値 |
| マルチプル | 利益などの何倍かで比べる倍率 |
| NPV | 投資で増える現在価値 |
| IRR | NPVがゼロになる収益率 |
詳しく知りたいときに右上から社会人版へ進めます。
筆者自身の学習のために作成した、無料公開を想定する教材です。誤りが残る可能性があります。実際の投資・契約判断では、元資料や専門家の確認も用いてください。誤りが見つかれば修正します。